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民事訴訟における自白の解説

 
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こんにちは。ゴンテです。民事訴訟上の自白について、意義・効果などについてまとめていきます。法科大学院の定期試験だけでなく、司法試験でも問われる分野なので、よく勉強しておく必要があります。

【自白の意義】

「自白」とは、相手方の主張と一致する自己に不利益な事実を認める旨の陳述をいいます。基本書によって、表現がまちまちだったりしますが、このような定義が裁判所のとっている態度と親和的だと思います。ちなみに、「先行自白」というのは、相手方の主張よりも先に自己に不利益な事実を認める旨の陳述をいいます。

【自己に不利益な事実の意義】

「自己に不利益な事実」とは、相手方が証明責任を負っている事実を指します。理由としては、相手方としてはもはや証明する必要がなくなったという信頼を抱いている点や、基準の明確性があげられます(判例もこの証明責任説)。そして、ここでの「事実」は、主要事実(権利の発生・変更・消滅という法律効果に直接必要な事実)を指すとされています。なぜなら、間接事実等は、証拠類似の働きがあることから裁判所の自由心証主義を害するおそれがあるからだと言われています。

【自白の効果】

①証明不要効:「裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない。」(179条)

②審判排除効:「当事者間に争いがない事実については、裁判所は、それをそのまま判決の基礎としなければならない。」(弁論主義第2テーゼ)

③不可撤回効:自白の成立の根拠となった陳述を撤回したり、それと矛盾する主張をすることができなくなる。(信義則(2条))

【自白の撤回】

成立した自白を撤回できるとされるのは、以下の3つのパターンです。①相手方の同意がある場合、②刑事上罰すべき他人の行為により自白した場合、③真実に反しかつ錯誤があった場合です。まず、自白の撤回について相手方の同意が得られたのであれば、自白が撤回できます。自白の趣旨に遡って考えると、相手方が自ら証明責任を負っても構わないと言っているのですから、自白の撤回を認めても差し支えありません。次に、刑事上罰すべき他人の行為により自白した場合は、瑕疵ある意思に基づいた自白であったといえるケースであり、条文上も338条1項5号で再審事由に挙げていますので、判決確定を待つまでもなく口頭弁論で自白の撤回ができると解釈するのが自然で、判例も認めています。最後に、真実に反しかつ錯誤があった場合です。判例も、自白者が事実に反することを立証できたのなら、錯誤は事実上推定され、自白の撤回を認めるとしています。

【間接事実の自白】

上述のとおり、間接事実については、自己に不利益な事実を認めても「自白」そのものではないことに注意が必要です。自白の定義をしっかりと押さえましょう。主要事実について当事者間に争いがないことで主張が一致しているのが「自白」成立した状態です。とはいえ、間接事実についても、証明不要効(179条)だけは、認められると考えられています。なぜなら、主要事実でさえ証明不要とされているのであるから、主要事実を推認する間接事実そのものの証明は不要と考えるのが自然だからです。もっとも、当事者間に争いのない間接事実によって主要事実が存在したと認定するか否かは裁判所の自由な判断に委ねられているということと、ごちゃごちゃにしないようにしましょう。ちなみに、間接事実の自白(あえてこの表現をします)について、判例は、裁判所に対する拘束力を否定しています。理由としては、裁判所が疑念を抱いている事実を用いて主要事実を認定するのは極めて不自然であることや、上述のように、間接事実は証拠類似の働きがあることから自由心証主義を害するおそれがあるからだと言われます。なお、当事者間の拘束力もそれに合わせて否定するというのが合理的であり、通説的見解もそのように理解しているようです。

以上です。他の記事もご覧ください。ゴンテ

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